私は免許を取った時から、かれこれ27年間マニュアル車に乗っています。
私の世代だと運転免許=マニュアル車という図式が当たり前の時代だったんですね。
マニュアル車が普通で、AT車はちょっと特殊な乗り物のようなイメージでした。
AT限定を取るなんて言ったら「足を悪くしているのかな?」とか「よほど運転が下手なのかな?」と思われたものです(^^;
今は時代が違いますから約80%以上の方がAT限定免許だと言われています。
そもそもマニュアルの車が全体の数%ほどしか新車で作られていないのですから、これは仕方ないのでしょうが、なんだか寂しい時代ですね、、、。
私も普段はマニュアル車に乗っていますが、嫁さんの車がAT車なのでたまに運転する事もあるんです。
AT車はアクセル・ブレーキの2ペダルしかないので運転が簡単ですし、家族での移動なんかの時はほとんどAT車になります。
そんなAT車に乗っていると、私は特に気になる事があるんです。
それは街中で走っている多くのAT車の方がo/d off(オーバードライブオフ)を活用されていない走りをされているという事です!
えっ、何それ?
そんなの知らな~い。
な~んて方もいらっしゃるかも知れませんね(;^_^A
ボタンは押した事あるけど、何だかよく分からなかったからその後は触ってないという方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、AT車だけに付いている機能o/d off(以下オーバードライブオフ)について解説したいと思います。
オーバードライブオフの使い方
街中で走っているAT車の運転を見ていると、やたらとブレーキばかり踏んでいる方が多いと思いませんか?
ゆるやかな下り坂でブレーキ、ゆるいカーブでブレーキ、直線でも車間が詰まってブレーキとまさにブレーキのオンパレード!
これではブレーキパッドがすぐに無くなってしまいますし、後続車はとっても走りにくくてストレスが溜まるものです。
こういう運転は、後続車からの煽り運転を誘発してしまいますからやめた方が良いでしょう。
だってそれはAT車だから仕方ないんじゃないの?
坂道になると勝手に速度が上がるから仕方ないよ。
前が詰まったらブレーキ踏むでしょう?
などと、色んな意見が聞こえてきそうですけど、そこで活用出来るのがオーバードライブオフという機能なんです!
オーバードライブとはその車の最高速ギアの事です。
(6ATだと6速、5ATだと5速、4速ATだと4速になります)
o/dボタンやsportsボタンなど、車によって名称が違ったりしますが機能は同じです。
この様にシフトに付いている事が多いです。
コラムシフト車だと、コラムシフトの先端やその付近についているボタンになります。
このボタンを押すことでオーバードライブオフの状態になります。
オフにするとインパネに『o/d off』というランプが光りますのですぐに分かると思います。(車によって表示は様々です)
解除する時はもう一度ボタンを押せばOK!
では、5速AT車の場合を例にみていきましょう。
5速ATの場合は、『5速』がオーバードライブギアとなります。
それをOFFにすると自動で4速に変速し、後は加速性能に優れた低速ギア(1~4速)を使って走行するようになります。(エンジンの高回転を使えるようになり加速性能が上がります!)
高回転開放ボタンと説明している車もあります。
POINT
オーバードライブON:自動で低回転でシフトアップしていき、早めに高いギアに切り替える事により燃費走行している。
オーバードライブOFF:1段低いギアに切り替わり、更に高回転まで使えるようになるので燃費走行ではなく必要なトルクを出す走りに切り替わります。
分かりやすく言うと、普段は低回転を維持しながら燃費走行していて、オーバードライブオフにすると高回転が使えてトルク(力強さ)を出す事が出来るという事です。
それでは具体的にどんな使い方があるのかご説明しましょう!
坂道で使う
代表的な使い方として坂道での使用があります。
上り坂でアクセルを踏む量を調整しないで登っていると車速が落ちてしまいますよね。
そうすると後続車は車速を調整するために、シフトダウンするかブレーキを踏まなくてはいけなくなり、これもイライラの原因になってしまいます。
ドライバーとしては、後続車に余計なストレスを与えない走りを心掛けたいものです。
そんな時にオーバードライブをオフにすることで最適なギアで高回転域も使えるようになり、車速を落とさず坂道を走れるようになるんです!
これは下り坂でも応用できる事で、下り坂の場合はエンジンブレーキ的な働きが出来ますので、ブレーキを踏まなくても程よい車速で下る事が出来る様になります。
アップダウンの激しい山道などでは、特にその効果を体感できると思います。
オンのままだと勝手にトップギアまでシフトアップしてしまい、その後トルク不足になり勝手にシフトダウンをして、またトップギアになりという流れの繰り返しになりギクシャクした走りになってしまいます。
ドライバーの意と反する動きになり、とても運転しにくいものです。
そうすると当然燃費も悪くなります。
オフにすることでスムーズな変速になり、多少燃費も良くなりますよ♪
何度かオンオフする内に、切り替えのタイミングが分かるようになってきます。
POINT
オーバードライブオフでもトルクやエンジンブレーキが弱いと感じた時は、『2』や『L』に切り替える事も覚えておきましょう!
『2』はセカンドギア(2速)で、オーバードライブオフで足りない時に使います。
『L』はローギア(1速)で、『2』でも足りない時に使います。
中には写真のように『M』マニュアルモードがあって、プラスでシフトアップ、マイナスでシフトダウンが出来るモデルもあります。
その場合はマイナスを使ってシフトダウンして、最適なトルクに合わせて走る事も出来ますので、ぜひ活用してみて下さい。
加速時に使う
高速道路での追い越し時や合流など、加速を必要とする場面でオーバードライブオフにすると、とてもスムーズな加速を行う事が出来ます!
ある程度の車速になったら、オンに戻す事は忘れないで下さいね。
そうしないと、高速道路で4速ホールドとなると燃費がかなり悪くなってしまいますから(^^;
エンジンブレーキとして使う
先ほど坂道で使えるとお話しましたね。
しかし坂道だけではなくて平坦な道でも使い方があるんです!
例えば、渋滞していて前が詰まっている状態。
少し進んでは止まるを繰り返すといった時に、オンのままではすぐに2~3速と変速してしまいますよね?
そこでオーバードライブオフにして1~2速で走るようにすると、アクセルオフでわずかですがエンジンブレーキが使えます。
そうするとアクセル操作だけで加減速が出来ますので、完全に止まる時だけブレーキを踏めばよくなります。
その他にも前の車との車間調整の時にも使えます。
ブレーキを踏まなくてもオーバードライブオフにして、アクセルを離すとゆるやかに減速しますので少しだけ減速したい時に重宝します。
最近の車にオーバードライブオフボタンが無いのはなぜ?
実はここまでお話してきた内容は、少し古いAT車に限っての話なんです。
最近はトランスミッションがATに変わってCVTという変速機が主流になってきているんです。
CVTとは『Continuously Variable Transmission』無段変速機のことです。
2つの円すい形のプーリーと呼ばれるものにベルト巻いて回転させ、それぞれの直径を変える事により加速&減速が出来る仕組みです。
写真はCVT車で、『B』はブレーキの意味でAT車でいう『L』と同等の位置づけです。
この『B』は実際にはギアは無いので、低速側の径を維持するという感じで使用します。
つまりCVT車ではギアが無い=オーバードライブという物が存在しないからオフボタンも必要ないという事なんです。
ですので、今後はこのオーバードライブオフボタンそのものが無くなっていく流れになります。
このオーバードライブのボタンは、その場その場で臨機応変にオン・オフをして使うボタンになります。
状況に応じて使い分けてみて下さい。
慣れてくると、今より格段に走りやすくなりますよ!
まとめ
ひと昔前までは当たり前だったAT車。
それがいつの間にか技術が進んでCVT車に変わってきています。
それでも、今なお現役で走っているAT車は沢山いる訳です。
今回はそんなAT車オーナーの方に向けて、オーバードライブボタンオフなどの機能によりAT車ならではの車の走らせ方がある事をご説明させて頂きました。
1度使うとその便利さに、運転がとても楽しくなってくると思いますよ(^^♪
今後の運転のお役に立てれば幸いです。
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