師走の手紙に使われる挨拶文はどのようなものでしょうか?
12月上旬に適したカジュアルな例文や、師走の挨拶文の結びに適した言葉を見てみましょう。
この記事で分かること
- 師走の挨拶文は?
- 師走の挨拶の12月上旬のカジュアルな例文は?
- 師走の挨拶文の結びの言葉は?
この記事では、師走の挨拶文は?12月上旬のカジュアルな例文と結びの言葉について調査しました。
それでは早速見ていきましょう。
師走の挨拶文は?
12月の挨拶文は、送る時期ごとに使われる単語や表現が使い分けられます。
主にビジネスでの挨拶文はこのようなものがあります。
【 12月上旬 】
- 冬空の下、寒椿が美しい季節となりましたが、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 大雪の候 貴社におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。
- 冬のひだまりがことのほか暖かく感じられる寒冷の候、〇〇様におかれましては、いよいよご壮健のこととお喜び申し上げます。
- 師走のみぎり、皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
冬の始まり、季節の変化を感じる文章です。
大雪( たいせつ )とは「 二十四節気 」の1つで、新暦( 太陽暦 )の12月7日頃のことをいいます。
【 12月中旬 】
- 歳末ご多端の折、益々ご清祥でご活躍のことと存じます。
- 歳晩の候、貴社におかれましては、ご活躍とご発展の一年かと拝察いたします。
- 月迫の折、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
年末が迫って来たという表現に変化しています。
例文の「 ご活躍 」「 ご発展 」という文章は企業などに使われます。
会社の場合は相手をさす言葉は「 貴社 」といいます。
銀行の場合は「 貴行 」となります。
ちなみに信用金庫の場合は「 貴庫 」「 貴金庫 」となるようです。
【 12月下旬 】
- 冬至の候 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
- 年の暮れのご多忙の折、ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 木枯らしの候、○○様におかれましては益々ご壮健のことと存じます
- 歳晩のみぎり、お忙しき日々をお過ごしのことと存じます。
冬至といえば一年で一番昼の時間が短い日ですね。
12月22日ごろが冬至にあたります。
忙しさに触れるなど、年末が迫っていることが文面から伝わってきますね。
挨拶に使われる12月の言葉は以下のようなものが挙げられます。
師走、初雪、大雪、歳晩、雪晴、大晦日、初冬、歳末、明冷、霜夜、霜寒、新雪、極月、孟冬、忙月、短日、厳寒、短日、寒気など
【 花や動植物・食べ物 】
ポインセチア、シクラメン、南天、水仙、千両、万両、鰤、鮭、鱈、鮟鱇、河豚、蟹、白菜、春菊、みかん、焼きいも、熱燗、鍋料理、クリスマスケーキなど
【 風物詩や行事・イベント 】
すす払い、針供養、事の日、お歳暮、クリスマス、歳の市、大掃除、仕事納め、忘年会、年越しの祓、除夜の鐘など
ビジネスで用いる場合の挨拶文は、「 自然現象 」+「 〜の候 」「 〜のみぎり 」「 〜の折 」とするのが無難です。
- 師走の候→師走となりました。
- 寒冷の候→寒く、冷たい時期となりました。
- 霜寒( そうかん )の候→霜が降りてくる時期となりました。
- 霜夜( しもよ )の候→夜中に霜が降りるほど本格的な寒さの時期となりました。
「 ~の候 」の部分はいずれも「 ~のみぎり 」「 ~の折 」とも書くことが出来ます。
季節を現した漢語調の冒頭の後、安否を気遣う文章が続きます。
改まった手紙では、会社・組織→繁栄を喜ぶあいさつ、個人→相手の安否を尋ねるあいさつを選びます。
カジュアルな手紙ではよりカジュアルな表現で相手の安否を尋ねるあいさつを選びます。
【 会社、組織への手紙 】
- 貴社におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 貴社ますますご盛栄の段、お慶び申し上げます。
【 改まった個人への手紙 】
- 〇〇様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 〇〇様にはますますご清祥の由何よりと存じます。
【 親しい個人への手紙 】
- ご家族の皆様はいかがお過ごしでいらっしゃいますか。
- あなたのことですから、お元気で活躍されていることでしょう。
形式にこだわりすぎて時候の文と安否を尋ねる文のつながりが不自然にならないように気をつけましょう。
例では大まかに時期を分けてありますが、実際に送る時の天候や手紙を送る相手の地域に考慮した内容にするのがいいでしょう。
その年によっては暖冬であったり、雪が多かったりするのを取り入れたりします。
師走の挨拶の12月上旬のカジュアルな例文は?
12月上旬のあいさつにおけるカジュアルな例文には、以下のようなものがあります。
- 今年もとうとう残りひと月ですね。お元気でお過ごしでしょうか。
- 暖冬となった今年は、穏やかな陽気が続きますね。
- 光陰矢のごとしと言いますが、一年はあっという間ですね。
- いよいよ冬将軍が到来する季節となりましたが、寒さに負けずにお元気でお過ごしでしょうか。
こちらは中旬ごろまで使えるものです。
また、より相手の状態や趣味を取り入れた文章にすると貰った方も嬉しく感じることでしょう。
- そちらは蟹の産地、今年も蟹三昧でしょうか。
- お得意のスキーのシーズンになりましたね。
- もうじきクリスマス。子ども達のプレゼントは決まりましたか。
もしこの手紙を自分がもらうとしたら?と考えてみると、より親しみやすい文章になります。
師走の挨拶文の結びの言葉は?
12月に送る手紙では、結びの言葉も時期によって変化があります。
【 上旬~中旬 】
- 師走の候、貴社ますますのご発展をお祈りいたします。
- 歳晩のみぎり、〇〇様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
- 寒気厳しき折、お身体を大切になさってください。
- 心忙しい年の暮れを迎えましたが、どうぞご自愛ください。
- 何かと気忙しい時期かと存じますが、体調を崩さぬよう、どうか身体をおいといください。
【 下旬 】
- 来年も輝かしい年となりますよう、益々のご発展をお祈りいたしております。
- 本年も残すところわずかとなりました。新しい年のさらなるご活躍をお祈り申し上げます。
- 年末ご多忙のおりではございますが、ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
- 来年も、ご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
結びの言葉では、冒頭の挨拶で触れたことや使った言葉を繰り返さないように気をつけます。
最後のまとめのご挨拶なので、プライベートや学校などの場合には健康や幸せを願う文を、ビジネスならば活躍や繁栄を祈る文を書きましょう。
こちらも、年末に向かうにしたがって年の瀬の忙しさへの配慮から来年の挨拶も交えたものへと変わっていますね。
まとめ:師走の挨拶文は?12月上旬のカジュアルな例文と結びの言葉を調査
まとめると、
- 12月の挨拶文には12月の季語+安否を気づかう挨拶
- 12月のカジュアルな挨拶文には、季節の挨拶にプラスして送る相手の趣味や住む所を考えた文章を添えるのも良い
- 12月の挨拶文の結びの言葉では、時期ごとに書き分け、相手が会社の場合や個人の場合、カジュアルな場合によっても文章を変えていく
挨拶文では、形式を守ることも大切ですが、相手のことを思いやっている気持ちが伝わるのが一番です。
締めの文にしても、時期や相手の状況などを考えて選ぶともらった相手も喜ぶことでしょう。
忙しい冬に手紙を送り、ひと時心がホッとあたたまるような時間を届けられたらうれしいですね。
【参考】
⇒師走の意味と由来ってなんだろう?調べてみると意外と面白い?!
⇒師走も佳境の意味は?近づきや半ばやかけるっていつを基準に言うの?