突然ですが、みなさんは車のラジエーター(ラジエター)キャップって替えた事がありますか?
ラジエーターキャップとは、エンジンルームにあるラジエーターというエンジン冷却装置に付いている、下図のような蓋の事です。
えっ?
そんなの気にもしてないし、興味も無い?!
ラジエーターキャップなんて、ただの蓋(フタ)でしょ?って思っていませんか?
実は私もそんな風に思っていて、今まで交換した事無かったんですよ(^^;
それが今年のお正月休みの間に突然ラジエータートラブルがあり、ラジエーターキャップを交換する事になったので、良い機会だと思い少し調べながら実際にやってみました!
トラブル記事が気になる方はコチラから↓
やる前はその構造さえ知らなかったんですが、しくみを理解するとその重要性が分かり、もっと早くやっておけば良かったと少々反省しております(^^;
実際にやってみると作業自体は5分も掛からないですが、いくつか注意するポイントがありましたので、そこさえ間違わなければどなたでも簡単に出来ると思います♪
今回はラジエーターキャップの交換手順と交換時期、その役割をご紹介したいと思います。
ラジエーターキャップの交換手順
まずは、ラジエーターキャップの交換手順からご紹介します。
用意して頂くのは新しいラジエーターキャップのみで、特に工具は何も必要ありません。
新しいラジエーターキャップは、量販店などに適合表が置いてあったりするので調べておくか、ボンネットを開けて今付いているキャップと同等の物を用意しましょう。
ただし、ここで注意して頂きたいのがキャップの圧力です。
POINT
交換するラジエーターキャップは、必ず現在付いているキャップと同じ圧力の物を用意しましょう。
中には高圧タイプ(1.1~1.3kgf/㎠)もありますが、水回りのホース類が劣化していた場合、逃げ場を失った内圧がホース類に負荷を与えそこから水漏れしてしまい、最悪エンジンのオーバーヒートを起こしてしまいます。
特に年数が足った古い車の場合は注意が必要です!
どうしても高圧タイプを付けたい場合は、ホース類を強化品にしないといけません。
レースでもやらない限り必要のない部品ですので、0.9㎏f/㎠くらいの低圧タイプにしましょう。
高圧タイプをおススメする記事を見かけますが、あれは車が新しい時かすでに冷却装置周りのホース類をグレードアップしている時に有効だと捉えて下さい。
交換作業自体は、注意点さえ覚えてしまえばどなたでも簡単に出来る作業になります。
ラジエーターキャップを交換する時は、必ずエンジンが冷えている状態で行いましょう。
エンジンが熱い時はラジエーターの内圧が上がっているので、キャップを開けてしまうと蒸気が噴出して火傷や大怪我をしてしまう可能性があります!
作業をする際は、この点だけ十分に注意して下さいね。
【ラジエーターキャップの交換手順】
①クーラント温度の確認(水温計の針がCの位置にあれば問題ないです)
最近の車だと水温計が無い車もありますが、エンジンが冷えている時であれば問題ないです。
走行直後とかは絶対やめましょう!
②ラジエーターキャップを1段階目まで回す(手に感触があります)
ここではラジエーター内の圧力(内圧)を抜くだけです。
60度くらい左に回して(キャップの爪が掛かっている状態)圧が抜けるまで待ちましょう。
しばらく乗っていない車の場合、内圧が掛かっていなくて何も抜けない場合もあります。
※圧が抜ける途中で2段階目まで外すと非常に危険なので、確実に抜けるまで時間を置いて下さい!
POINT
ラジエーターキャップは安全のため2段階ロックになっています。
1段階目:キャップのツメが掛かった状態でラジエーターの内圧を抜きます。 (内圧が完全に抜けてから2段階目へ)
2段階目:ツメを合わせてラジエーターキャップを外します。
1度でキャップが外れてしまうと内圧によりクーラントが噴出してしまうので、
2重構造になっているのです。
③ラジエーターキャップを2段階目まで外しキャップを外します(同じく手に感触があります)
更に左に60度くらい回すとツメが合ってキャップが外れます。
左側が新品キャップ、右側が外した古いキャップになります。
キャップの横に見えている2か所のツメが、本体のツメ穴に合わさると外れる仕組みです。
④新しいラジエーターキャップを閉める
外す時と逆で右回りで閉まる所まで一気に回しましょう。
キチンと閉まっているか念のため確認します。
はい、これで終了です!
お疲れさまでした。
後はエンジンを掛けてみて、異常が無いか(クーラントの漏れなど)確認しておいて下さいね。
それでは次に、今回の交換したラジエーターキャップの役割についてみてみましょう。
ラジエーターキャップの役割
ラジエーターキャップは小さくて、一見ただの蓋のように見えます。
しかし、実は3つの重要な働きをしてくれているんです!
POINTラジエターキャップ3つの働き
- 密閉弁:クーラントが漏れないように密閉する弁。
- 加圧弁:エンジンが温まりラジエーター内の内圧が上がった時に動く弁。
- 負圧弁:エンジンが冷えてラジエーター内の内圧が下がった時に動く弁。
1つの部品で3つの役割を果たしているゆえ、劣化しやすい部品になります。
特に長期使用でスプリング部分が劣化すると、不具合が発生しやすくなります。
分かりやすく言うと、ラジエーターキャップが劣化すると正常な圧が掛けられなくなり、水温が上がり、水温があがるとエンジンの冷却が出来なくなり、最悪エンジンのオーバーヒートを起こしてしまうという事です。
内側の錆や変形、パッキンやスプリングのヘタリなど、外した時に目視点検してみましょう。
正直、新品と見比べてもそんなに変わらないと思うかも知れませんが、1年以上使っていると確実に劣化は進んでいると思って下さい。
リザーバータンクの水が極端に減ったりしている時も異常を疑いましょう。
HIとLOWの線の間に入っていればOKです!
(画像左側のピンクの液体が入ったタンク)
では、交換時期はどの程度なのでしょうか?
ラジエーターキャップの交換時期
メーカー推奨は、1年毎となっています。
ですが、実際には2~5年くらいは持つようです。
しかし、長くても5年以内には交換しましょう。
ですので車検の時に点検してもらって、劣化していたら交換でも良いと思います。
部品代も1,000円~2,000円程度の物ですので、気が付いたら交換しておくと安心です。
まとめ
- ラジエーターキャップは、今現在付いている圧力と同じ物に交換する
- ラジエーターキャップの交換には工具は不要
- 作業する時はエンジンが必ず冷えた状態で行う
- ラジエーターキャップは2段階ロックになっているので、1段階目で内圧を抜いて2段階目でキャップを外す。
- 古いキャップを新しいキャップに交換すれば作業は完了
- ラジエーターキャップには、密閉・加圧・負圧の3つの働きがある
- 劣化すると、最悪エンジンのオーバーヒートを引き起こす危険性がある
- メーカー推奨の交換サイクルは1年毎だが2年~5年での交換が現実的
- リザーバータンクの水量が極端に減っている時はキャップの異常が疑われる
いかがだったでしょうか?
意外と簡単だったでしょう?
車という物は整備士さん任せも良いですが、自分で修理やメンテナンスしてあげるとより愛着が沸いてくるものです。
こういう簡単な作業から始めてみて徐々に色んな事が出来る様になると、カーライフがより楽しくなってきますよ♪
まずは部品の役割を少しずつ覚えるだけでも、いざという時に役に立つ事もあります。
ただし、分からない事がある場合は整備士さんにお任せした方が安心ですので、無理せず作業を依頼しましょうね。