日本から、世界一周の船旅に出た私が寄港した国の一つであるマルタ共和国。
恥ずかしながら、私はこの国のことは全く知りませんでした。
国名さえも初耳で、寄港するまでアフリカの国かと思っていました。
なので寄港してびっくり。
まず、地中海のほぼ真ん中に浮かぶその島は城壁に囲まれ、どこを切り取っても絵になる見た目にもしっかりヨーロッパの美しい国でした。
その美しい国がマルタ共和国。
イギリス連邦および欧州連合( EU )加盟国でもある南ヨーロッパの共和制国家です。

マルタ共和国ってどこの国?
マルタ共和国はイタリアのシチリア島と北アフリカ沿岸の間に位置する諸島で、3つの有人島と2つの無人島から成ります。
公用語はマルタ語と英語で、人口は約51万人。
EU加盟国でもあるので、通貨はユーロです。
アフリカ大陸にも近いこの国は昔地中海貿易で繁栄し、その時にイスラム帝国の支配に入ったことに抵抗して戦ったマルタ騎士団がこの国の名前を有名にしました。
実はこの国はマルチーズの発祥の地で、マルチーズという名はマルタに由来するのだから驚きです。
首都は私が訪れた港街、首都バレッタです。
私は行った時期は夏だったのですが、マルタ島は夏に乾燥して冬が温暖湿潤な地中海性気候であるために、
日本と比較すると1年を通して雨が少なくて暖かかな島国です。
そのために夏が暑くてもからっとしています。
ただ日差しが強いのでサングラス、帽子、日焼け止めクリームなど紫外線対策は必須です。

マルタに留学していた友人が
しっかり日焼けしていました。
マルタ共和国の旅費と行き方は?
全体的に治安も良いこともあり、女子旅や留学先としても人気のあるマルタ。
日本からは直行便がないためアジアや中東、ヨーロッパなどを経由して行きます。
乗継によりますが、フライトに15時間半~21時間ほどかかります。
例えばヨーロッパの主要空港まで約12~13時間なんですね。
そこからロンドンであれば3時間半ほど、パリからだと3時間、ローマからだと1時間半でマルタに到着します。
航空券の相場は、約11万7000円です。
ちょっと行くのは大変そうですが、ヨーロッパの主要都市からは飛行機やフェリーで比較的安い値段と数時間で行けてしまうので、ヨーロッパを旅行中に足を延ばしてという形で遊びに行くのも有ですね。
その逆でマルタに滞在する中で、ヨーロッパの別の国を観光するというのも面白そうです。
ちなみにローマとの往復航空券は4000円~になります。
マルタ共和国の首都バレッタ
私が訪れたマルタ共和国の首都であるバレッタは16世紀に聖ヨハネ騎士団がオスマン帝国の攻撃を防ぐために建設したという要塞都市です。
高い城壁に城壁に囲まれたこの街は複雑に入り組んだ地形の半島に築かれており、隣接する街からは陸路よりフェリーが便利なほどです。
この要塞都市バレッタは市街全体が世界遺産に登録されています。
街は歴史に彩られており、ここでは全てを紹介できないほど多くの遺跡や歴史的建造物が見られます。

予定をしっかり組んで
回る必要がありそうです。
また、歴史を感じる味わいある路地をぶらぶらと歩くだけで、時間を忘れてしまうほど魅力的な街でもあります。
そんな見どころばかりのバレッタですが、その中でも印象に残ったいくつかのスポットを紹介します。
マルタ共和国の首都バレッタのバラッカリフト
船が停泊するグランドパーバー湾のウォーターフロントからバレッタの街中に移動するために利用されるのは、レトロな城壁に設置されたモダンなエレベーターがバラッカリフトです。
船でバレッタを訪れる際に、こちらに乗らないと始まらないと思わせる、まるでバレッタの街への玄関口のようなエレベーターでもあります。
特に次の紹介するアッパー・バラッカ・ガーデンは街の南部の崖の上にあり、それと海岸との高低差がかなりあるため、このエレベーターはとても助かります。
こちらを利用するには上りが1ユーロで下りが無料です。
ガランとした乗り口からエレベーターで上り、その扉が開くと華やかで賑わう美しいガーデンが私たちを迎えてくれます。

扉が開くと
素晴らしい景色が待っています。
マルタ共和国の首都バレッタのアッパー・バラッカ・ガーデン
かつて騎士団の憩いの場とされた公園であるアッパー・バラッカ・ガーデンは敵の攻撃を防ぐための小型の要塞の上に作られています。
そのために、そこから見渡す風景は絶景で、グランドハーバーを行き来するクルーズや、対岸にはスリー・シティーズ( ヴィットリオーザ、セングレア、コスピークワの三つの町の総称 )が見渡せます。
この公園はマルタ騎士団員であったバルビアニというイタリア人がイタリアの騎士団のために作ったのですが、19世紀にフランスに支配されたのをきっかけに一般開放されました。

一般開放してくれて
嬉しいですね。
公園には500年もの歴史を刻む大砲が並び、毎日正午になると港に向かって空砲が発射され、時報を知らせます。
また公園内には噴水があり、その周りを美しい花壇が作られており、そのあまりにも美しい光景に、思わずシャッターを切り続けてしまいます。
マルタ共和国の首都バレッタの旧市街
上記のガーデンを出るとすぐに旧市街に入ります。
メインストリートのリパブリック通りが、半島先端の聖エルモ砦まで真っすぐと延びています。
通りには国会議事堂や国立考古学博物館、聖ヨハネ大聖堂、騎士団の宮殿などバレッタの主要建造物が並んでいます。
通りは歩行者天国になっていて、カフェはパブが立ち並び、外に出したテーブルは食事やドリンクを楽しむ人達でにぎわっています。
また道路はほぼ格子状に張り巡らされているので、とても分かり易く初めて来ても道に迷う心配がありません。

初めてでも迷わないというのは
かなり嬉しいポイントです。
角を曲がると現れる味わいがある小道や坂道、カラフルな出窓など、ただぶらぶらと歩くだけでも楽しいです。
カフェで食事をしながら、行き交う人々やストリート・ミュージシャン、そして街そのものを眺めているだけでも飽きない魅力のある旧市街でしたね。
マルタ共和国の料理
イタリアのシチリア島から60㎞しか離れていないという立地からイタリア料理をマルタ風にアレンジしたものがマルタ共和国の郷土料理です。
もちろん地中海に浮かぶ島ですからシーフードは有名です。
旧市街の歩行者天国で、道の真ん中に並んだテーブルを囲むという開放的な環境。
ここでで美味しいシーフードとワインをいただきながら、ストリート・ミュージシャンが奏でる音楽に酔いしれるという贅沢な時間を味わえるのもここバレッタならではです。
また街角の売店で買った大きめのサンドウィッチも、なかなか美味しく、それをパクつきながらフェリーで別の街、スリーマに向かいました。
また何といっても外したくないのがスイーツです。
温かい気候ということもあり、ジェラートなどのアイスクリームはやはり人気です。

ここで食べるジェラートは絶品です。
私もアッパー・バラッカ・ガーデンの近くで小さなジェラート屋さんを見つけて、船に戻る前に買って楽しみました。
まとめ
マルタ=要塞の街バレッタという印象をもちますが、フェリー、バス、タクシーなど交通機関を使えばバレッタとは雰囲気が異なる街を訪れることができます。
私はスリーマという街にフェリーで行きました( 片道1.5ユーロ( 198円 ) )。
そこには情緒あふれるバレッタの街と違い、大きな新しいモールがあったり、ホテルやおしゃれなお店もあったりとまた違う魅力があります。
情緒あふれる旧市街も魅力的ですが、そんなモール内にあるスーパーに訪れた時、公用語が英語だということもあり買い物がしやすかったからか、思わず「 ここ、住める。 」と思ってしまいました。
世界一周している中でリピートしたいと思った場所はいくつかありますが、思わず住みたいと思った場所はここだけです。
そんな魅力あふれる国だからこそ、私の周りではリピートしている人が何人もいます。
また今回は時間がなく訪れることが出来なかったコゾ島( マルタで2番目に大きい有人島 )など、また今度訪れる際にはぜひ足を運んでみたいものです。
そんなリピート率の高いマルタ共和国、ぜひ訪れてリピーターの仲間入りをしてはいかがでしょう。
きっとはまりますよ。
この記事で、少しでも旅行気分を味わって頂けたら幸いです。