冬季オリンピックが開催されて、特に注目をされているスポーツの一つカーリング。
その試合を見ると、私はある国のある街を思い出します。
その街で私は、生まれて初めてカーリングを体験したり、またアイスホッケーの試合を観戦したりしました。

それがスウェーデンの
ヴァステロスです。
たぶん、あまり知られていない小さな街ですが、私にとってスウェーデンといえば首都ストックホルムよりも小さな街、ヴァステロスが頭に浮かびます。
1993年というはるか昔のことですが、私は世界中を旅しながら、
という国際教育プログラムの一員として、北米とヨーロッパを回っていました。
その時に私は初めてこの小さな街に入り、寒い冬の一か月を過ごしました。
今回はスウェーデンを紹介すると同時に、このヴァステロスという小さな街にも触れたいと思います。

スウェーデンの名所は?
北欧最大の国スウェーデンは広大な北方林や氷河の山々で知られています。
隣接する国はノルウェーとフィンランドです。
その首都のストックホルムは東部にあり、その洗練された美しさは北欧の中でも群を抜いています。
スウェーデン第二の街ヨーテボリやマルメなどの南西部の大都市は沿岸にあります。
またジブリの映画、「 魔女の宅急便 」の舞台とされるコットランド島のヴィスビー、オーロラで有名なアビスコ国立公園、
雪と氷の芸術であるアイスホテルのあるユッカスヤルビなど、スウェーデンはどこも名所であふれています。
14の島からなり、北欧のベネチアと呼ばれる水の都ストックホルムだけでも13世紀に築かれた旧市街のガムラスタンを歩いたり、宮殿や野外博物館など数々の観光名所を訪れたりと十分楽しめます。
しかし、せっかくなのでストックホルムから電車やバスで1時間半の小さな街を、ちょっと覗いてみてはいかかでしょうか?
スウェーデンのヴァステロスとは?
ヴァステロスは、スウェーデン中部のヴェストマンランド県に位置する工業都市です。
人口はスウェーデンで約6位。
なんと今日本でも大人気の、H&Mの発祥地なのです。
今や世界中で展開するH&Mの第一号店が1947年にオープンしたのがここヴァステロスでした。

そういえば、
私が最初にH&Mを知ったのも
この街ででした。
ヴァステロスの中心部にあるVasa通り( Vasagatan )周辺にはH&Mはもちろん、LindexやStadiumなどのスウェーデンならではのファッションブランドが密集しています。
これらのショッピングを楽しめるお店の他にも、気軽に入れそうなレストランやカフェもたくさんあります。
滞在を共にしたスウェーデン人の友達と、時間を見つけてはショッピングを楽しんだことを懐かしく思い出します。
また街中にはメーラルダーレン大学があるからか、学生の姿も多く見られます。
私が滞在したのは冬季だったこともあり、緑よりも白い雪景色が目の前に広がっていたのですが、その白い背景に街を行き交う若者たちのカラフルな上着がよく映えて街を彩っていました。
ヴァステロスは工業都市ではありますが、古い町並みや緑豊かな公園が美しい街でもあります。
また、いくつもの博物館もあります。
街のシンボル的な存在なのが、1200年代に建築にされたというヴァステロス大聖堂です。
現在も洗礼式や結婚式などのイベントが行われ、市民に長く親しまれています。
スウェーデンのヴァステロスにはどうやって行くの?
ヴァステロスは空港があるので、主要都市から乗継で行くことは出来ます。
しかし、お勧めはスウェーデンの主要都市であるストックホルムの中央駅よりバスか電車で行く方法です。
ストックホルムより車、スウェーデン国鉄電車、またはバスで行く場合も所要時間は1時間半ほどです。
電車だと運賃は、片道1,959円です。

席のクラスにより値段は変わります。
バスは種類によりますが、1,057円~1,325円です。
フライトは、日本からはストックホルムまでは安くて10万円前後で行けます。


スウェーデンの家庭料理とは?
スウェーデンの伝統料理は、スウェーデンの国土が南北に広がっているために地域によって相違があります。
場所によってはトナカイや他のジビエ料理を食しますが、私もヴァステロス滞在中にトナカイのジビエ料理をいただきました。

特に臭みもなく、
美味しく食べられました。
また、スウェーデンといえはIKEAというくらい有名な大型家具店内にあるレストラン。
そこではミートボールをよく目にするので、やはりミートボールは人気のスウェーデン料理だということが分かります。
ここではヴァステロスの家庭で味わった家庭料理を含め、スウェーデンの伝統料理を紹介します。
スウェーデン料理( ブラッド・プディング )
スウェーデン人にどんな食べ物が好きか聞くと、よく返ってくる回答が「 ブラッド・プディング 」( 血のプリン )でした。
聞くと、豚や牛の血を材料にした料理なんだとか。
水、ライ麦粉、小麦粉、牛の脂身、牛と豚の血の粉、砂糖、豚肉、スパイス、豚のたんぱく質、じゃがいもの繊維、香料が入ったゼリー状のものを焼いたものということです。
実はこれを聞いた時は、「 げげっ 」と思い、「 これが出てきたらどうしよう。 」と心配した食べず嫌いの私です。

牛と豚の血の粉は、
かなりインパクトがあります。
ところがこのスウェーデンの伝統料理、スウェーデン人の間で好き嫌いが真っ二つに分かれるとか。
私がヴァステロス滞在中にお世話になったホストファミリーは「 嫌い派 」だったようです。
結局その1か月の滞在期間の間、このブラッド・プディングが食卓に出ることはありませんでした。

正直ホッとしました。
よって味はよく分かりませんが、食べた方に聞くと味は特に強くなく、添えるものが何かによってその味になるので、例えると食パンに何かを載せて食べたときのような感じだとか。
スウェーデン料理( パンケーキ )
ヴァステロスだけでなく、どの家庭でも頻繁に出てくるのはパンケーキ。
どちらかというとパンケーキは朝ごはんというイメージが強いのは、私たち日本人はアメリカの文化の影響が強いからもかもしれません。
ところがスウェーデンでは夕食にパンケーキが出てきます。
通常の4分の1のサイズのパンケーキが何枚も焼かれて、ジャムなどのソースと一緒に食卓に並び、「 夕食です。 」と提供されたときは正直びっくりしました。

何か特別なイベントなのかと思いきや、
普段食とのことです。
寒いスウェーデンですが、特に身体を温めるものを食べる訳ではないのだなと思いながら、薄く何枚も焼かれたパンケーキをつっつきました。
スウェーデン料理( 朝食 )
スウェーデンの朝食といえばミューズリです。
ミューズリーとは、オーツ麦などの未調理の加工穀物にドライフルーツ、ナッツ、種子類などを混ぜ合わせたシリアル食品の一種です。
主に牛乳やヨーグルトなどをかけてふやかして食べますが、スウェーデンの家庭ではフィルというヨーグルトのような発酵乳製品をかけて食べていました。
このフィル、酸味があるどろりとした粘りのある食品で、その様々なブランドの中には「 Onaka ( お腹 ) 」という名前のものもあります。
それを私に見せてくれた人は、「 これは日本のフィル? 」と聞いてきました。
何でも日本のビフィズス菌を使った発酵乳だとか。

お腹に優しいという意味で、
そんな名前にしたのでしょうね。
ミューズリと共に朝食に出てくるのはクネッケブレッドといって、薄く焼かれた固めの小麦製品で、乾パンのようなクラッカーのような食品です。
こちらは直径40㎝ほどの丸い形のものを、食べやすくバリバリと割られて食卓に出されます。
特に味はなく、これにバターやジャムを乗せて食べますが、キャビアなどを乗せることも。
このようにスウェーデンの人はどちらかというとあまり手をかけるものよりもシンプルなものを好んで食べるという印象をもちました。
まとめ
スウェーデンは見どころがたくさんある美しい国です。
その国や小さな街のヴァステロスが記憶に残っているのは、そこの美しさだけでありませんでした。
そこで出会った人たちが、その国の寒い気候とは逆に温かい人達だったからだと思います。
まずスウェーデンの公用語がスウェーデン語ではあるのですが、ほとんどの人は英語が話せます。
英語が話せない幼い子まで、英語の聞き取りは出来るようです。
これはTVで海外の番組を放送していても、スウェーデンでは吹き替えではなく字幕で対応しているんです。
だから、英語が自然と耳に流れていることが大きく影響しているのでしょう。
従って私が滞在中も、大人だけでなく子供たちも積極的に話しかけてきてくれました。
また、スウェーデンには「 フィッカ 」というお茶の時間を大切にしています。
まず仕事場でも「 フィカ 」の時間は必ず設けていました。
その時間になると、みなコーヒーやお茶とジンジャークッキーという薄く焼いたしょうがのクッキーをつまみながらおしゃべりをします。
この「 フィカ 」タイムですが、スウェーデンの家庭でももちろん大事にしており、食後は必ず家族で「 フィカ 」タイムを過ごした後に、それぞれの時間を過ごします。
私が滞在した冬のスウェーデンは青空を見ることが少なく、家のドアを開けると、白い光景が目に飛び込んできましたが、
人と人とのコミュニケーションを大事にするスウェーデン人の温かさはサウナよりも温かく、また訪れたいと思わせるものでした。
「 寒くても温かい 」スウェーデンの小さな街、ヴァステロス。
ぜひ訪れてみてくださいね。
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この記事で少しでも旅行気分を味わってもらえたら嬉しいです♪
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