2019年が始まりましたね!
今年もスカイラインGT-Rにとっては、更に価格が上がる年になります。
私は中古車販売もやっていまして、現在お客様よりスカイラインGT-R(R32かR33)のご注文を頂き、約半年間オートオークション画面を見ながら必死に探す日々を送っています。
昨年も何台か候補を紹介させてもらったんですが、なかなかお客様のご要望に応えられず車両が決まりませんでした。(ほぼフルノーマル・無事故車)
現在も探している最中なんです。
では、なぜ半年も探して決まらないのか。
理由は実に簡単です。
価格と程度が釣り合っていないから!
ご予算に対して、仕入れ金額が高すぎて予算内ではまともな車両がほとんど無い状態が続いているのです!
もうみなさんご存知の通り、ここ数年スカイラインGT-Rの中古車価格が高騰しています。
しかし、価格は上がっていますが古い車ですので程度は良くはなっていません。
むしろ、経年劣化で悪くなっている個体がほとんどでしょう。
ですので、今現在では価格と程度のバランスが崩れてしまっているのです。
今後、更にそのバランスが崩れていく危険性があります。
それでも1度は憧れのGT-Rに乗りたい!所有したい!という方がいらっしゃいます。
今後値上がりが分かっている分、多少高くても『今』買っていかないと一生買えない金額になってしまう可能性があります。
じゃあ、これから買う方は一体どのモデルを買えば良いのでしょうか?
今回は2019年の今、R32GT-Rの相場と程度を交えながら考察してみます。
まずは、R32GT-Rのグレードや注意点からみていきましょう。
R32GT-Rのグレードや注意点
R32(BNR32)GT-Rについて、グレードや購入時の注意点をお伝えします。
【R32GT-R】
型式:BNR32GT-R
H1 8月21日~H3 8月19日:前期型
H3 8月20日~H4 12月末日 :中期型
H4 1月1日~H7年式:後期型
グレード:スタンダード(標準車)、V-spec、V-spec2、V-spec N-1(競技用ベース車両)、NISMO(500台限定車・メタルタービン・専用エアロ)
総排気量:2,568cc
最高出力:280PS/6,800rpm
最大トルク:36,00kgf-m/4,400rpm
総生産台数:43,934台
現在、前期・中期・後期での価格差はほとんどありません。
前期型が一番車重が軽く(1,430kg)エンジンの造りが一番良いと言われていて、サーキット派に人気がありました。
中期・後期型は1,480kgで、サイドドアビームなどの安全装備の装着で重量が50kg増しています。
前期/(中期・後期)で部品が違うので、購入後修理する際の部品選びは注意が必要です。
(例:前期のフルスケールメーターは、後期では配線が違う為付けられない)
グレードによる差はあるものの、修復暦や走行距離によって価格はバラバラです。
POINT
R32GT-Rの標準車には住友ブレーキが装着されていますが、かなり制動力が弱いです。
V-spec、V-spec2ではブレンボブレーキが採用されていますので、ブレーキをノーマルで乗りたい方にはV-specモデルが良いでしょう。
しかし、R32の特徴でもある純正16インチの5本スポークが履けなくなるので(キャリパーに干渉してしまう為)ノーマルホイールにコダワリたい方は標準車を選択しましょう。
では、2019年現在の気になる相場と程度はどうでしょうか。
BNR32GT-Rの相場と程度
あくまで、私がオークション画面を眺めながら感じた事をまとめていますので参考程度に捉えて下さい。
【販売価格別の程度】
~100万円:修復歴有り、走行距離は15~20万Km以上、どこかしらに致命的ダメージ(故障個所)有り、ボディー傷凹み、サビ多数で状態は(下)
~200万円:修復暦有り、走行距離は15万Km以上、故障個所有り、ボディーの状態(下~中)
~300万円:修復暦有りと無しが混在、走行距離は10万~20万Km前後、不具合を抱えている場合も有ります。ボディーの状態(中)
~400万円:修復暦無しが多い、10万Km以下の低走行車有り、レストア済み車両などもあります。ボディーの状態(中~上)
500万円~:修復暦はほぼ無し、10万Km以下で車庫保管車なども有り、内装などがキレイな個体が多くキッチリレストアされている個体が多いです。ボディーの状態は(極上)
2019年現在では、~300万円~400万円が一番流通していてそれ以下の個体はオークションでも売れ残っている状態です。(それ以下の車両はヤフオクでよくみかけます)
本当に欲しい方は500万円オーバーでも即決されています。
私が見た限り、おススメは車体価格が350万円~450万円辺りの車両になります!
何故かと言いますと、その辺の価格帯の車両は大切に保管・乗られてきた個体が多く購入後に無駄な出費をすることなく乗れるからなんです。
グレードは出来ればブレンボブレーキのV-spec、V-spec2が良いですが、流通している約7割が標準車なので探すのは大変です。
NISMOはタマ数が少なすぎるのと、結局の所速い訳でもないので無理に買う車ではないでしょう。
それとR32はほぼ修復暦有り車両になります。
錆などの修理の為なのか事故によるものなのか、ここを良く確認しましょう。
更にR32GT-Rだけは製造ラインが専用ではなく、基準車と同じラインで作られているためリアフェンダーが錆びやすい特徴があるのです。
価格が安い個体はこのフェンダーに致命的な錆を抱えている場合が多いので、板金塗装でかなりの金額を覚悟しないといけないのです。
R32の場合すでに30年経過している車両もあります。
深刻なのは先ほどお話したリアフェンダーの錆ですが、他にも内装のダッシュボードの浮き、シートのヘタリや色あせ、各種ハーネスの劣化やブッシュ関係の劣化、パッキン劣化によるオイル漏れ、過走行によるエンジンの劣化などがあります。
このように何かしら問題を抱えている車両がほとんどです。
購入後、レストア費用として最低でも200万円は用意しておきましょう。
旧車を買うという意識を持って購入しないと、買ってから後悔する事にもなりかねません。
それからコチラの動画では、海外でのR32人気の様子が伺えます。
すごい人気ぶりですね!
では、購入後に心配になってくるレストア事情はどうなっているのでしょうか?
レストア事情
実は「NISMOヘリテージ」というプログラムが始動しています!
これは、製造廃止になっていた純正部品を再販するという動きです。
詳しく知りたい方はコチラをどうぞ↓
2019年現在、フロントバンパー・レインフォース・リアマットガードなどの外装品や、ターボ廻りや水廻りのホース類、パワーウインドウスイッチやリアトランクモールなどが随時再販される予定となっています。
メーカーのこうした動きはGT-Rオーナーにとっては実に有難い事です。
外装で言うと新品部品が出れば付け替えるだけで安く済む修理が、部品がなければ切った貼ったで作るしかなく時間もお金もかかってしまいます。
それが今後は新品部品で直せるようになるのです♪
さらにアフターパーツメーカーさんも、現在でも新たな取り組みをされている所もあり、内装をオシャレに変身させるアイテムが新発売されています。
古くなり色あせした内装もこういった方法で今風にカスタムしながらレストア出来るので、心強い味方ですよね♪
コチラの商品は、奈良県にあります「ガレージヨシダ」さんが販売されています。
詳しく知りたい方はコチラ↓
GT-Rという車はアフターパーツが豊富にあり、更に海外にも中古車が輸出されているので海外でもパーツが造られているのです。
ですので、その内海外からGT-R用のパーツを仕入れる時代になってくるかも知れませんね。
海外は無い物は造るスタイルなので、すでに海外で販売されているパーツもあるようです。
楽しみですね♪
R34GT-Rの記事はコチラです。
R34GT-Rは今が買い時!2020年の最新相場が大変なことに!
⇒アールズミーティング(R’s Meeting)2019に行こう!【今年も楽しむぞ】
まとめ
- R32GT-Rには標準車とV-spec、V-spec2、V-spec N1、NISMOのグレードがある
- ブレンボブレーキはV-spec・V-spec2・V-spec N1のみ
- 総生産台数は43,934台
- 純正16インチホイールにコダワル方は、ブレーキが弱いですが標準車を選ぶ
- おススメの価格帯は、350万円~450万円台
- 購入する際は、車両代と別にレストア費用として最低200万円は必要
- ニスモヘリテージという、製廃部品の再販プロジェクトが動いている
- 海外でも部品が新たに造られ始めていて、今後日本でも輸入できるようになる可能性がある。
- アフターパーツメーカーが、発売から30年経った今でも新製品をリリースしてくれている。
価格は上がる一方のR32GT-Rですが、今ならまだ新車価格以下で買えるチャンスはあります!
ただし、よく吟味して買わないと修理ばかりで乗れないなんて事にもなりかねません。
絶対条件として下回りは必ずリフトアップしてもらい確認しましょう!
サビやドライブシャフトブーツ破れ、オイル漏れなどは上げてみないと分からないです。
特に降雪地帯で乗られてきた個体は要注意です!
ホイールやマフラーなど後からいくらでも替えの効く部品の劣化などは目をつぶり、替えのきかないボディーの状態を良く見て買いましょう。
1台だけではなく、出来れば数台見てから決めた方が良いでしょう。