
- ボーナスからも厚生年金保険料は引かれるの?
- 厚生年金保険って何?
- 厚生年金保険料ってどうやって計算してるの?
この記事では、このような悩みを解決します。

ボーナスから引かれる税金って、
良く分からないですよね~。
待ちわびたボーナス。
いくら入ったか、給与明細を見る時はドキドキしますよね!
しかし思っていたより税金が引かれていて、がっかりした人も多いのではないでしょうか?
その引かれる税金の中でも、厚生年金保険料がボーナスから引かれるのかどうか気になるところです。
実は、ボーナスからも厚生年金保険料が引かれます。
なぜなら、ボーナスからも厚生年金保険料を引かなければ、ボーナスのない会社と不公平になってしまうからです。
本記事の内容
- ボーナスから厚生年金保険料がなぜ引かれるのか?
- ボーナスから引かれる厚生年金保険料の計算方法は?
ボーナスからも厚生年金保険料が引かれるのには、ちゃんと理由があるんです。
ちょっとしたことですが、こういうことを知っておくと知識の幅が広がりますよ♪
記事の信頼性
- 厚生年金保険料率は、日本年金機構「厚生年金保険料額表」を参照
- 厚生・国民年金保険の平均額は、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照
この記事を読み終えると、ボーナスから引かれる厚生年金保険料を計算する方法が分かるようになりますよ♪
では早速、ボーナスから厚生年金保険料が引かれる理由からみていきましょう。
ボーナスから厚生年金保険料がなぜ引かれるのか?
それでは、ボーナスからも厚生年金保険料が引かれる理由を解説しますね。
実は、ボーナスからも厚生年金保険料が引かれるなったのは、2003年以降からなんです。
それまでは、一律1%( 特別保険料 )でした。
しかも、会社が半分負担していました。
今のようになってしまった理由は2つあります。
- 特別保険料が自分の将来貰える年金額に反映されない
- ボーナスのない会社と納める厚生年金保険料に差ができ、不公平になってしまう
それでは詳しく見ていきましょう。
1:特別保険料が自分の将来貰える年金額に反映されない
納められた特別保険料は、老齢厚生年金の予算に当てられていました。
しかしこれは全体の予算の話で、個人でいくら納めたとしても将来貰える年金額変わらないというものでした。
実質負担は、0.5%ではありますがかなり不公平ですね。
2:ボーナスのない会社と納める厚生年金保険料に差ができ、不公平になってしまう
この制度では、保険料逃れができてしまいます。
具体例をご紹介します。
- 年収360万( 月収30万、ボーナスなし )
- 年収360万( 月収25万、ボーナス60万 )
仮に厚生年金保険料が10%だとします。
ボーナスなし:30万円×10%×12ヵ月=36万円
ボーナスあり:25万円×10%×12ヶ月+60万円×0.5%=29万7000円
差 額 :36万円-29万7000円=6万3,000円
上記の例では同じ年収でも、ボーナスのある人とない人では納める厚生年金保険料で6万3,000円の差がでます。
これは不公平ですね。
当時はボーナスにはほとんど厚生年金保険料がかからないのをいいことに、毎月の給与を下げボーナスの金額を上げる保険料逃れが多発しました。
以上のことを理由に、2003年以降は毎月の給与と同じように厚生年金保険料がかかる「 総報酬制 」という制度に代わりました。

昔はいい時代でしたね。
そもそも厚生年金保険とは何なのでしょうか。
厚生年金保険とは?
厚生年金保険とは、会社員や公務員が加入する年金制度のことです。
20歳以上60歳未満の人が、必ず加入しなければならない「 国民年金保険 」にさらにプラスした保険料を納めます。
そして納めた保険料は、定年退職後65歳から「 老齢厚生年金 」として受け取ることができます。
厚生年金保険は、国民年金保険と比べて以下のメリットがあります。
- 会社が半分負担してくれる
- 将来貰える年金額が国民年金保険に加入している人より多い
しかし実際は会社が半分負担していても、国民年金保険に加入している人よりはるかに高い保険料を納めています。
そう考えると、本当にメリットなのか疑問に思いますよね?

あれ?
もしかして損してるの?

そう思っちゃいますよね?
では、ちょっとこれを見て下さい。
将来貰える年金の平均額は、それぞれ以下になります。
厚生年金保険:男性 16万4,770円、女性 10万3,159円
国民年金保険:男性 5万8,866円、女性 5万3,699円
※厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参照
厚生年金保険の方が、かなり将来貰える金額多いですね。

なるほど!
多く払った分、将来多くもらえるんですね!

そうなんです。
ですから、これはメリットと言えるでしょう。
ボーナスから引かれる厚生年金保険料の計算方法は?
ではここからは、厚生年金保険料の計算方法を解説します。
計算方法は以下になります。
厚生年金保険料=ボーナスの金額×厚生年金保険料率÷2( 会社が半分負担するため )
ボーナスが40万円だった場合を例にします。
計算式に当てはめると、
厚生年金保険料=40万円×18.3%÷2
=3万6,600円
※厚生年金保険料率は日本年金機構「厚生年金保険料額表」を参照しています。
厚生年金保険料は、3万6,600円となります。

計算方法は意外と簡単なんです。
厚生年金保険料率は平成16年から段階的に引き上げられていましたが、平成29年9月を最後に引き上げが終了し全国一律18.3%に固定されました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まとめると、
- 厚生年金保険は、国民年金保険より将来貰える年金額がかなり多い
- 2003年まではボーナスにかかる厚生年金保険は、一律0.5%( 特別保険料 )だった
- 特別保険料は、個人の将来貰える年金額に反映されていなかった
- 2003年まではボーナスのない会社の人の方が多くの厚生年金保険料を納めてしまう、不公平な制度だった
- 厚生年金保険料の計算方法は、ボーナスの金額×18.3%÷2
今回はボーナスにかかる厚生年金保険料のかけられる理由と、計算方法をご紹介しました。
ボーナスにもなぜ厚生年金保険料がかかるのか理由は分かりましたが、正直前の制度はおかしすぎますね。
もっと考えてから制度を実施していただきたいものです。
最後にご紹介しておきますが、実は厚生年金保険料には上限があります。
1か月のボーナス支給額が150万円を超えるものだと、300万円、500万円でも、150万円にしか厚生年金保険料はかからないそうです。
これも、個人的にはちょっとおかしい気がします。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです(^^♪
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